藤本明洋先生によるセミナー
- 日時
- 2012年10月15日 (月) 16:30-17:30
- 場所
- 統計数理研究所 セミナー室4 D312B
- 演題
- 全ゲノムシークエンスのデータ解析
〜世界初の日本人ゲノムとがんの全ゲノム解析から〜
- 演者
- 理化学研究所・ゲノム医科学研究センター 藤本明洋先生
- 要旨
- シークエンス技術の著しい発展により、かつては夢物語であった全ゲノムシークエンス解読が可能となった。
ゲノム配列は生物学にとって最も基本的かつ重要なデータであるため、全ゲノムシークエンスは、疾患研究のみならず、集団遺伝学や進化学研究においても極めて重要なツールとなる。
我々は、高精度なシークエンス解析を行うことを目指し解析パイプラインを構築し、世界初の日本人のゲノムシークエンスを解析した。
その結果、ヒトゲノム中の一塩基多型、挿入・欠失、コピー数多型、構造多型など従来の解析では検出困難であった様々な種類の遺伝的多様性が検出された。
また、肝臓がん27症例の全ゲノムシークエンス解析し、体細胞突然変異を包括的に解析し、肝臓がんの遺伝的多様性を明らかにするとともに、
発がんにおいて重要な役割を果たす遺伝子を多数検出した。本講演では、解析手法を紹介し、最新の結果についても報告する。