龍野先生による脳科学に関する講演
- 日時
- 2010年5月26日(水) 11:00〜12:00
- 場所
- 統計数理研究所 セミナー室4(D312B)
- タイトル
- 多電極同時記録による記憶の固定化の研究
- 講演者
- 龍野正実(The University of Lethbridge, Canada)
- アブストラクト
- 認知症の症例などからも明らかなように,記憶は人間や動物にとって重要な脳の機能の一つである.したがって,脳の記憶の情報表現やその固定化のメカニズムを解明することは脳科学の重要な課題である.そのためには神経活動を詳細に記録することが必要となるが,近年の計測技術の進歩により自由行動中の動物の脳活動をリアルタイムに計測することが可能になってきた.本講演では,多数の電極を動物の脳に刺入して複数の神経活動を同時記録する技術について紹介し,記憶の固定化についてこれまでに得られている知見について解説する.特に覚醒中の神経活動がその後の睡眠中に再生されるメモリーリプレイという現象に注目し,記憶の固定化におけるレム睡眠と
ノンレム睡眠の役割の違いについて議論したい.