バイオインフォマティクスと統計科学
          日時: 2006年1月16日(月) 10:20-17:40
          場所: 統計数理研究所 講堂  (アクセス&マップ



2006.1.30
レジメはここです.
パスワードはシンポ中にお話したものです.
二週間程度したらHPから削除します.#削除しました(2006.2.24)



プログラム
10:20-10:30 オープニング
バイオインフォマティクスから  座長: 井元 清哉 (東大・医科研)
10:30-11:10
石井 信 (奈良先端大・情報科学)
マルチクラス分類器の構成法と癌マイクロアレイ分類への応用
11:10-11:20 ........... Break Time
11:20-12:00
冨田 秀太 (名大・医)
発現プロファイル解析に基づく肺癌分類と臨床分子病態との相関
12:00-12:40
玉田 嘉紀 (統数研)
遺伝子ネットワーク推定における異種ゲノムデータの統合手法
12:40-14:00 ........... Lunch Time   ランチマップ
応用的見地から  座長: 江口 真透 (統数研)
14:00-14:40
松浦 正明 (癌研・ゲノムセンター)
創薬・バイオインフォマティクス・統計科学
14:40-14:50 ........... Break Time
特別講演  座長: 松浦 正明 (癌研・ゲノムセンター)
14:50-15:50
Yutaka Yasui (Department of Public Health Sciences, University of Alberta)
Biomarker Discovery Research and Statistical/Epidemiological Contributions
15:50-16:20 ........... Tea Time
統計科学から  座長: 栗木 哲 (統数研)
16:20-17:00
田中 紀子 (東大・医)
遺伝疫学研究における、遺伝子間相互作用と、遺伝子環境相互作用の探索方法
17:00-17:40
藤澤 洋徳 (統数研)
ハプロタイプブロック同定: ADBlock vs. MDBlocks
17:40- ........... Tea Time
Contact: 藤澤 洋徳 (E-mail: fujisawa と @ と ism.ac.jp)

アブストラクトや関連HPへのリンクはこちら

主催: 平成17年度 統計数理研究所 共同利用研究 「バイオインフォマティクスのための統計学」
共催: 統計数理研究所 予測発見戦略センター 遺伝子多様性グループ
    科学研究費 基盤研究(B) 研究代表 江口真透
      「ゲノム多様性解析のための新しい統計的方法」
    科学研究費 基盤研究(B) 研究代表 松浦正明
      「プロテオーム・臨床情報に基づく疾病関連因子探索のための統計的方法論の開発」




事前参加登録と懇親会
事前参加登録
事前参加登録は必ずしも必要ありませんが,できるだけ 1/5(木) までに事前参加登録をお願い致します.メイルアドレス bioinfo_stat_05@yahoo.co.jp に次の情報をお送りください:
      お名前・所属・メイルアドレス・専門分野
懇親会
18:30より懇親会を行う予定です.会費は5000円程度を予定しています.参加を希望される方は,メイルアドレス bioinfo_stat_05_d@yahoo.co.jp (事前参加登録のアドレスと少し違います)に,懇親会への参加の旨を記載して,お送り頂ければと思います.締切は 1/5(木) とさせて頂きます.奮ってご参加ください.



そのほかの情報
談話室の用意
シンポジウム会場の近くに談話室を用意いたします.お茶菓子の用意はもちろん,ホワイトボードなども用意しておきます.本シンポジウムでは長めの休憩時間を用意しました.このような分野は人の交流が重要だと思いますので,様々な情報交換の場としてご利用して頂ければと思います.
お問い合わせ
様々なお問い合わせについては藤澤(E-mail: fujisawa と @ と ism.ac.jp)までお願い致します.


アブストラクト
石井 信 (奈良先端大・情報科学) 個人HP
マルチクラス分類器の構成法と癌マイクロアレイ分類への応用

複数の2クラス分類器を組み合わせて多クラス分類器を構成するための確率モデルアプローチを紹介し、マイクロアレイ遺伝子発現解析による腫瘍の分類問題への応用を示す。新しい手法は分類クラス数が比較的少なく、かつ分類が困難な状況で有効であることが分かった。

冨田 秀太 (名大・医) 研究室HP
発現プロファイル解析に基づく肺癌分類と臨床分子病態との相関

【目的】代表的な難治がんである肺癌を対象に、遺伝子発現プロファイルからみた癌の個性の描出を検討した。また、肺腺癌治療に特異的な分子標的薬への感受性との関連において注目を集めている上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子などの変異との関連についても検討を行った。
【方法】原発性非小細胞肺癌149症例に対し、オリゴマイクロアレイを用いて約20000遺伝子の発現プロファイルを取得し、階層的クラスタリング解析を行い、各クラスターと臨床病理学的知見との関連を解析した。
【結果】非小細胞肺癌149症例を対象とした教師値なしクラスタリングの結果、各組織型(腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌)はそれぞれ特徴的なクラスターに大別され、各々に特異的なマーカー遺伝子が抽出された。さらに腺癌90症例を対象にした解析において、EGFR遺伝子変異の有無と極めて高い関連を示す複数のサブタイプの描出や、外科切除後の予後が極めて良好なサブタイプの存在を明らかとすることに成功した。これらの分子病態と臨床病態の両者を密接に反映するサブタイプの判別モデルの構築や、日本と欧米における肺腺癌の発現プロファイルから見た異同についても報告する。

玉田 嘉紀 (統数研) 個人HP
遺伝子ネットワーク推定における異種ゲノムデータの統合手法

遺伝子ネットワークは細胞内の遺伝子発現制御の依存関係をグラフィカルモデルを用いて表したものである.DNA マイクロアレイなどのツールによって観測することの出来る遺伝子発現データから遺伝子ネットワークを推定する研究が近年盛んに行われている.しかしながら,発現データに含まれる情報には限りがあるため,生物学的に意味のある遺伝子ネットワークを推定することは非常に難しい問題となっている.本講演では,遺伝子発現データに加え,遺伝子のDNA 配列上流領域に存在する制御配列の情報,また,異なる生物種間に進化的に保存されている情報を組み合わせた 2 種類のベイジアンネットワークに基づく遺伝子ネットワーク推定手法を紹介する.

松浦 正明 (癌研・ゲノムセンター) 研究室HP
創薬・バイオインフォマティクス・統計科学

現在、オーダーメイド医療を実現するために、ゲノムワイドな遺伝子多型解析、網羅的な遺伝子発現解析やタンパク発現解析が進められている。遺伝子多型解析では、遺伝学的体質診断を確立するため、マイクロサテライトや一塩基多型(SNP)を用いて薬剤感受性関連遺伝子や、疾患関連遺伝子の探索・同定が試みられ、これまで各患者のジェノタイプに対応した副作用予測システムの構築などがなされてきた。また次世代技術を利用したマイクロアレイから得られる遺伝子発現プロファイルデータを解析することにより、治療応答性を規定する遺伝子群や疾患関連遺伝子群の同定が開始されようとしている。さらには、網羅的タンパク発現情報が得られる質量分析計を利用したプロテオーム解析結果も、癌の早期発見や癌の再発検査に利用する試みも進められている。一方、創薬においても、従来の新薬開発では微生物・植物や人間の体内にある化合物を探索し、動物実験やヒトでの臨床試験を繰り返す膨大な量の研究が必要であったのに対して、最近では「ゲノム創薬」と呼ばれる新しい方法へと移行しつつある。本発表では、これらの分野におけるデータ解析を概説し今後の問題点を探る。

Yutaka Yasui (Department of Public Health Sciences, University of Alberta)
Biomarker Discovery Research and Statistical/Epidemiological Contributions

High-throughput tools of DNA, mRNA, and protein biomarker discovery/measurement are under active development and utilization in modern biomedical research to improve disease prevention and treatment strategies. This talk will provide a brief overview of biomarker discovery research with reference to statistical and epidemiologic methodologies. In particular, the focus will be on protein biomarker discovery for cancer early detection utilizing MALDI-/SELDI-TOF mass spectrometry. Statistical designs and analyses of such protein biomarker discovery studies are described. Importance of statistical and population-health issues is illustrated to suggest: "Laboratory/clinical scientists and biostatisticians/epidemiologists need to collaborate closely in biomarker discovery/utilization projects to bring cutting-edge technological advances to disease prevention and treatment."

田中 紀子 (東大・医) 個人HP
遺伝疫学研究における、遺伝子間相互作用と、遺伝子環境相互作用の探索方法

近年、ありふれた疾患や多因子疾患に対する遺伝学的発症モデルは、遺伝子そのものが原因となって疾患を発症するのではなく、ある同じ環境要因にさらされた場合に発症の引き金となる遺伝子が存在しているというものになりつつある。さらに、"common variants-common disease"仮説か"multiple rare mutant"仮説が支持され、どちらにせよその発症の引き金となりうる遺伝子は複数存在すると考えられている。こうしたモデルや仮説が広く支持されている一方で、従来の遺伝子―環境交互作用を検出するための統計学的方法では、関連する、もしくは探索したい要因の多さから、サンプルサイズに比べて実行不可能である場合が多いこともあり、現在も疾患感受性遺伝子探索研究において、環境要因を考慮しない単SNP解析やハプロタイプ解析が頻繁に行われているのが現状である。しかし、多変量、多次元交互作用に対応できるような新たな遺伝子―環境交互作用を検出するための統計学的方法論が多く開発され、一部は応用にも使われはじめられつつある。そこで、本発表では近年発表された遺伝子―環境交互作用の統計学的探索方法とその応用事例について紹介し、それらの問題点とこれからの発展の可能性について議論する。

藤澤 洋徳 (統数研) 個人HP
ハプロタイプブロック同定: ADBlock vs. MDBlocks

遺伝子マーカーを利用して疾患関連遺伝子を見つけるという試みは相関解析として良く知られている.代表的なマーカーはSNPである.最近になって,SNP単独ではなくて,SNPから醸し出されるハプロタイプブロックをマーカーとして使うことで,相関解析のパワーが上がることが知られてきている.本講演では我々が開発した ADBlock の解説を行う.そして,過去の様々なハプロタイプブロック同定法を凌駕していると考えられる MDBlocks (Anderson and Novembre, 2003, AJHG) と比較して,我々の ADBlock の方が安定的で同定パワーが高いことを,その理由とともに,ホットスポットが知られている遺伝子領域におけるデータ解析とシミュレーションによって提示する.